Metabase / リリースノート / 2026/06/16 / 重要
Metabase 62、カスタム可視化・MCPチャート・CLIを追加
公式リリースノート
Metabase は 2026年6月16日、Metabase 62 を公開しました。custom visualization plugin SDK、MCP server からのインタラクティブチャート、Metabase CLI、対話的 スキーマ Viewer、embedded 分析 の programmatic filter control など、BI画面とAIクライアントの両方に関わる更新がまとまっています。
要点
@metabase/custom-vizにより、Reactベースのカスタム可視化を作成、bundle、upload できるようになりました。- MCP server は Claude、Cursor、VS Code などのAIクライアント上で、テキストだけでなくインタラクティブなチャートを返せるようになりました。
- Metabase CLI が追加され、questions、dashboards、documents、transforms などをターミナルから操作しやすくなりました。
- Data Studio には 対話的 スキーマ Viewer が入り、テーブルと外部キー・主キーの関係をERDとして確認できます。
- Embedded 分析 では、埋め込みコンポーネントのフィルターをアプリ側からページ再読み込みなしで制御できるようになりました。
今回の更新で変わること
Metabase 62 は、BI利用者向けの画面改善だけでなく、開発者とAIエージェントが Metabase を操作する経路を広げるリリースです。custom visualization plugin SDK は、標準チャートだけでは表現しづらい業務向けの可視化を Metabase 内に持ち込むための更新です。公式リリースでは、ガント、組織図、レーダー、カレンダー、ヒートマップのような React ベースのチャートを例に挙げ、ビルドした .tgz をアップロードして新しい可視化タイプとして使う流れが説明されています。質問、ダッシュボード、ドキュメントで使え、drill-through や tooltips にも対応する一方、現時点では embeds、ダッシュボード subscriptions、alerts では使えないという制限もあります。
MCP server の更新は、Metabase とAIクライアントの接続を実務寄りにします。これまでAIクライアントからデータに質問できても、返ってくるものが文章中心だと、トレンドや異常値、比較を読むには限界がありました。Metabase 62 では、MCP server がインタラクティブなチャートを返せるようになり、時間範囲や粒度の変更、チャートタイプの変更、drill-through、Metabaseで開く導線が説明されています。さらに、SQL実行、questions / dashboards の更新、collections の作成といったツールも増えています。AIエージェントにBI資産を触らせる場合、便利さだけでなく、どの権限で実行され、誰が変更をレビューするかが重要になります。
Metabase CLI も同じ文脈で見るべきです。ターミナルから questions、dashboards、documents、transforms などを扱えるようになると、開発者や 分析 エンジニア は、Metabase の設定やコンテンツ作成をよりコードに近い作業として扱いやすくなります。AIエージェントに CLI を渡して Metabase の内容を作らせる使い方も示されていますが、これはレビュー前提で考える必要があります。エージェントが質問やダッシュボードを作れるほど、命名、保存先、権限、既存資産との重複、変更履歴の扱いを整理しておく必要があります。
スキーマ Viewer は、データを理解する入口として価値があります。Data Studio 上でテーブルをノード、外部キー・主キー関係をエッジとして表示し、他スキーマのテーブルも必要に応じてキャンバスへ読み込めます。新しい利用者がデータモデルを理解するとき、SQLやドキュメントだけでは関係性をつかみにくいことがあります。スキーマ Viewer は、セルフサービスBIを広げるときの学習コストを下げる機能として使えそうです。
Embedded 分析 の programmatic filters は、顧客向けアプリや社内ポータルに Metabase を埋め込んでいるチームに関係します。初期フィルター値を渡すだけでなく、アプリ側のUIから埋め込みコンポーネントのフィルターを動的に制御し、コンポーネント側の値も取得できるようになります。これにより、アプリ本体の状態とチャート・ダッシュボードの状態を同期しやすくなりますが、URLや画面状態と実際のデータ権限がずれないように確認が必要です。
実務で確認したいポイント
- カスタム可視化を使う場合、コードレビュー、依存関係、配布方法、利用できない場所を明確にする。
- MCP server と CLI をAIエージェントに使わせる場合、変更可能な範囲、レビュー、監査ログを確認する。
- スキーマ Viewer を使う前に、外部キー・主キーやメタデータが実態に合っているか点検する。
- Embedded 分析 の動的フィルターでは、アプリ側UI、埋め込み側の状態、データ権限の整合性を確認する。
結局、このリリースをどう見るべきか
Metabase 62 は、BI画面を増やすだけのリリースではありません。カスタム可視化、MCP、CLI、スキーマ Viewer、埋め込みフィルターを通じて、Metabase を人間のダッシュボード閲覧、AIクライアント、ターミナル、顧客向けアプリの間で扱いやすくする更新です。導入側は、作れるものが増えた分、レビュー、権限、変更管理、データモデルの整備をセットで確認したいです。