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Cursor 2026年6月4日のリリースノート解説: SDKに独自ツール、JSONLストア、ネストしたサブエージェント
公式リリースノート
Cursor は 2026年6月4日の changelog で、TypeScript / Python SDK の更新を公開しました。独自ツール、自動レビュー、JSONL/独自ストア、ネストしたサブエージェント、Composer 2.5ルーティングなど、SDKでエージェントを本番スクリプトやCIへ組み込むための変更が中心です。
要点
local.customToolsにより、関数定義を渡すだけでローカルエージェントへ独自ツールを公開できます。local.autoReviewにより、headless なSDK実行でもツール呼び出しを分類器でレビューできます。- SQLite に加えて JSONLストアと独自ストアを選べるようになり、エージェント実行メタデータの保存先を設計しやすくなりました。
- サブエージェントがさらにサブエージェントを起動できる、ネストしたサブエージェントが利用できます。
- retired
composer-2slug を使うSDKクライアントは Composer 2.5 に自動ルーティングされます。
今回の更新で変わること
今回の SDK 更新は、Cursor のエージェントをアプリケーションやCI、社内自動化へ組み込むチームにとって重要です。独自ツールでは、Agent.create() や send() に関数定義を渡すだけで、ローカルエージェントに独自ツールを公開できます。以前は、自前の標準入出力やリモートHTTP MCPサーバーを立てる必要がある場面がありました。今回の仕組みでは、SDKが組み込みMCPサーバーのようにツールを見せ、同じ権限ゲートを通して呼び出せます。さらに、親エージェントに定義したツールはサブエージェントにも見えるため、1回の設定で実行全体へ能力を渡せます。
自動レビューは、SDKをヘッドレスに使うときの安全性に関わります。ローカルSDKエージェントは人間が画面の前で承認するとは限らず、CIや自動スクリプトで走る場合もあります。local.autoReview を使うと、ツール呼び出しを単純に通すのではなく、分類器が自動実行してよいものと止めるものを判断します。permissions.json の自然言語による指示で許可寄り・ブロック寄りの条件を調整できるため、読み取り専用の成果物確認は許し、削除や危険な操作は止めるといった運用がしやすくなります。
ストア周りの更新も、本番利用では地味に効きます。エージェントや実行のメタデータを保存する仕組みは、再開、監査、失敗時解析に必要です。従来の SQLite に加えてJSONLストアを選べるようになり、追記専用のプレーンファイルとして読み、差分を見たり、バージョン管理に載せたりできます。さらに LocalAgentStore インターフェースを実装すれば、インメモリ、Postgres、社内ストレージなどへ寄せられます。CIで一時的に動かすのか、長く実行履歴を残すのかで選択肢が変わります。
ネストしたサブエージェントは、エージェントの作業分担を深くする更新です。レビュー担当のサブエージェントがテスト作成サブエージェントを呼び、さらに別のサブエージェントへ委任するような構成が可能になります。便利な反面、プロンプト、ツール権限、コスト、実行時間、ログの追跡が複雑になります。加えて、composer-2 slug が Composer 2.5 へ自動ルーティングされるため、古いSDKクライアントは動き続けますが、出力や費用、速度が変わる可能性は検証したいところです。
対象になりそうなユーザー・チーム
- Cursor SDK を使ってローカルエージェントやCloudエージェントを自動化している開発者
- CI、社内ツール、本番運用スクリプトにエージェントを組み込みたいチーム
- MCP server を立てずに独自ツールをエージェントへ渡したい開発基盤担当
- エージェント実行ログ、再開、監査、権限を管理したい組織
押さえておきたいポイント
独自ツールは導入を簡単にしますが、ツール定義の粒度と権限境界を曖昧にすると危険です。自動レビューと権限設定を合わせて、どのツールがどの入力で許可されるかを確認してください。JSONLストアを使う場合は、ログに機密情報が残らないかも見る必要があります。
今すぐ対応が必要か
SDKを使っているチームは、composer-2 の自動ルーティング、ストア設定、自動レビュー、独自ツールの導入可否を確認すべきです。SDKをまだ使っていない場合でも、Cursor エージェントを自動化に組み込む計画があるなら、この更新は設計前提になります。
結局、この更新をどう見るべきか
6月4日の SDK 更新は、Cursor エージェントを対話UIの外へ出すための土台です。独自ツール、保存先、権限レビュー、サブエージェント構成がそろうほど、エージェントは便利になりますが、同時に運用設計も本格化します。