Azure AI / Azure OpenAI / 公式ブログ / 2026/07/15 / 重要
Foundry IQで社内データに根拠を置く企業エージェント
公式ブログ原文
Microsoft Foundry Blogは、Foundry IQをGPT-RAGの知識層として使い、社内文書に基づく引用付き回答を返す構成を解説しました。回答の流暢さではなく、根拠、追跡可能性、利用者権限を同時に成立させることが主題です。
要点
- Knowledge Baseが質問を分解し、複数ソースを並行検索して関連箇所を並べ替え、引用付きでモデルへ渡します。
- 利用者のMicrosoft Entra IDを代理トークンで検索へ渡し、文書単位の権限を検索時に適用します。
- Foundry IQは文書、Work IQはMicrosoft 365の仕事文脈、Fabric IQは統制された分析データを担当します。
今回のブログ記事で語られていること
記事は、社内規程や契約、製品固有情報を学習していないモデルが、それでも自信を持って答えてしまう問題を、情報範囲、追跡可能性、権限の三つに分けます。情報がない、根拠を示せない、閲覧権限を理解できないという失敗は、単に文書を指示文へ貼るだけでは解決しません。Foundry IQのKnowledge BaseはAzure AI Search上で動き、質問を小さな検索へ分解し、複数の知識源を並行して調べ、候補を関連度で並べ替えます。モデルへ渡すのは選ばれた文章と出典情報で、回答の横に利用者が開ける引用を付けます。
例では、Volkswagenが電子燃料噴射を導入した年を尋ねます。モデルの記憶で推測せず、管理対象のPDFから1975年という箇所を取り出し、vw-fuel-system.pdfを引用します。同じ質問でも、検索はサインインした利用者の代理で実行されるため、権限が違えば使われる文書も変わります。これは回答後に機密語を消す方式ではありません。モデルへ渡る前にAzure AI Search側で文書を絞るため、モデルが見てはいけない文章を要約へ混ぜる危険を下げます。Knowledge Baseは索引化したBlob StorageやAI Searchの文書に加え、リアルタイムで問い合わせる外部ソースも構成できます。
Microsoftは用途を三層に整理します。Foundry IQは規程や製品文書など組織の正本、Work IQはメール、会議、チャット、組織図など各利用者のMicrosoft 365文脈、Fabric IQはOneLake上の統制された数値と業務エンティティです。文書中心の一つの回答へ混ぜたい場合はKnowledge Baseの知識源、分析を独立処理したい場合はFabric IQのツール呼び出し、Microsoft 365上の仕事を委任したい場合はWork IQへのAgent-to-Agent連携を使い分けます。Foundry IQのKnowledge Baseは一般提供、Work IQとFabric IQは記事時点で公開プレビューです。本番では引用の正しさだけでなく、索引の鮮度、削除反映、権限同期、検索不能時に推測せず答えを保留する挙動を試験する必要があります。
今回のブログ記事が関係する人
社内検索・RAGを設計する開発者、Microsoft Entra IDと文書権限を管理する担当、監査可能な回答を必要とする法務・サポート部門、FabricやMicrosoft 365を知識源にする基盤担当に関係します。
結局、今回のブログ記事をどう読むべきか
モデル性能より、回答材料を検索段階で権限制御し、引用へ戻れることを企業エージェントの基準にする記事です。導入判断では、正答率に加えて権限境界を越えないことと、根拠がないときに答えないことを評価すべきです。