AWS Bedrock / 公式ブログ / 2026/07/23 / 重要
AgentCoreが正常終了に隠れたエージェント障害を検出
公式ブログ原文
AWSは、正常終了に見えるAIエージェントの誤動作を、Amazon Bedrock AgentCore optimizationでセッション横断分析する方法を紹介しました。
要点
- 完了率や遅延が正常でも、注文未実行や在庫誤回答のような業務障害を検出します。
- 失敗を11分類し、影響セッションの割合で優先順位を付けます。
- 利用者の意図と実際の実行戦略も集約し、設計とのずれを見つけます。
今回のブログ記事で語られていること
従来の監視では、HTTPエラー、遅延、例外が見えれば障害を検知できます。しかしエージェントは、在庫APIが時間切れなのに「在庫あり」と答えたり、注文変更を実行せず完了したと伝えたりしても、処理自体は正常終了になります。99%の完了率、正常な遅延、エラー急増なしという画面の裏で顧客苦情だけが増える状況を、記事は「静かな障害」と呼びます。
AgentCore optimizationのInsightsは、既存のトレースを一件ずつ見るのではなく、各セッションから属性を抽出して類似した挙動を集約します。幻覚、誤った操作、指示違反、処理順序、文脈処理など11種類の行動上の失敗を判定し、各群について原因の説明と影響範囲を示します。30%の利用へ波及する問題と三件だけの例外を区別し、調査の順番を決められます。
失敗以外にも、利用者が実際に何を依頼しているか、エージェントがどの戦略で応答しているかを分析します。想定外の用途が増えている、設計した手順と異なるツール経路を選んでいる、といったずれを追加計装なしで把握する狙いです。ただし自動分類は原因の確定ではありません。代表トレースを開き、業務上の正解、権限、外部サービスの状態と照合する必要があります。
導入側は、トレースに機密情報を残さない処理、保持期間、閲覧権限を先に決めます。影響度だけでなく、金銭操作、データ公開、承認回避など重大度も優先順位へ加え、見つけた群を回帰試験へ変換すると運用品質を継続的に改善できます。
分析期間が短すぎるとまれな重大事故を見逃し、長すぎると修正前後の挙動が混ざります。配備版、モデル、指示文、ツール版をセッション属性へ含め、どの変更から問題群が増えたかを比較します。修正後は同じ利用者意図を再生し、単に別の失敗群へ移っていないかも確認する必要があります。
今回のブログ記事が関係する人
本番エージェントの運用担当、観測基盤担当、業務結果の正しさを監督する責任者に関係します。
結局、今回のブログ記事をどう読むべきか
エラー率では測れない「成功したように見える失敗」を集団として見つける機能です。分類結果を鵜呑みにせず、重大度と業務証拠を加えて修正・回帰試験へつなげるべきです。