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AWS Bedrock / 公式ブログ / 2026/07/17 / 通常

SmartsheetのMCPサーバーに学ぶ、AIエージェントを本番運用する設計

AIセキュリティ

公式ブログ原文

Smartsheetは、社内のSmart Assistと外部AIクライアントが同じ業務データや操作を利用できるリモートMCPサーバーをAWS上に構築しました。記事の焦点はMCPへの接続自体ではなく、権限、急増する通信、監視、テスト、トークン費用を含めて企業向けエージェントを運用する方法です。

要点

  • 一つのMCP層がSmartsheet内のAI機能、Amazon Quick、Claude Desktop、独自エージェントへ共通のツールを提供します。
  • AWS Fargate、Amazon Kinesis、Apache Flink、Amazon S3、Amazon Bedrock、Amazon Neptune、Databricksを組み合わせ、操作系と分析系を分けています。
  • 組織ごとにAI利用を停止、読み取り専用、書き込み可能へ段階設定し、MCPの操作属性を確認画面へ反映します。
  • 応答量を段階的に開示する方式と独自の直列化により、データ量の多い応答のトークン数を35〜47%削減したとしています。

今回のブログ記事で語られていること

記事は、AIエージェントがSmartsheetのプロジェクト情報を読み、タスク更新、シート作成、ワークスペース管理まで行えるリモートMCPサーバーを、どのように本番基盤へ載せたかを説明します。Smartsheet内のSmart AssistとAmazon Quick、Claude Desktopなどの外部クライアントは、別々の連携を持つのではなく、同じツール、最適化、知識層を共有します。人からの指示で動く支援機能だけでなく、要件取得、作業の引き取り、テスト結果の添付、文書作成を自律的に進めるエージェントも対象です。公開後の内部計測では、応答設計の最適化によって30億トークン超を節約したとしています。

構成では、AWS Fargate上のMCPサーバーがSmartsheetの既存APIへ操作を送り、Amazon NeptuneとDatabricks上に構築したインテリジェンスレイヤーへ横断的な問いを渡します。Amazon BedrockはLLM推論を担い、業務変更イベントはAmazon KinesisとApache Flinkを通じてAmazon S3を基盤とするインテリジェンスレイヤーへ蓄積されます。エージェントは短時間に複数のツールを呼び、その後に推論で静かになるため、通常のWeb通信より負荷が波打ちます。そこでリクエスト数だけでなく計算使用率も見て自動拡張し、小さいリージョンから順番に展開します。障害時はECSの仕組みで前のコンテナへ戻し、各リージョンで一連の操作を確認するテストと15分ごとのカナリアテストを実行します。

統制はMCPサーバーの外側だけに置かれていません。管理者は組織単位でAIを無効化したり、破壊的でない操作だけに制限したりできます。ツールには読み取り専用か破壊的操作かを示す属性を付け、クライアント側の確認手順につなげます。認証はOAuth、境界防御はAWS WAFとAWS Shield、内部通信はmTLSを使い、最終的なデータ権限は既存の業務サービスが判定します。さらに、利用者、組織、ツール、結果をOpenTelemetryで関連付け、IPアドレスではなく利用者単位でも呼び出し量を制御します。

最後に、LLMが途中に入るため、APIが正しい値を返すだけでは利用者に正しく伝わったと保証できない点を扱います。実際のモデルを含む一連の操作テストを継続し、応答は必要な件数だけ返して、全件数や絞り込み条件をメタデータで示します。独自形式でJSONの繰り返しを減らす取り組みも、費用とコンテキスト消費を抑えるためです。MCPを導入する話というより、業務権限、非決定的な出力、運用費、障害復旧を一つのサービス設計として扱う事例です。

今回のブログ記事が関係する人

社内SaaSへMCPを追加する開発者、Amazon Bedrockを使うAI基盤チーム、認証・権限を設計するセキュリティ担当、エージェントの監視と費用を担うプラットフォーム運用担当に関係します。

実務で確認したいこと

自社では、MCPのツール一覧より先に、既存APIと同じ権限判定を維持できるかを確認する必要があります。読み取りと変更操作の区別、共有プロキシ配下の利用者別制限、ツール連鎖を追える記録、実モデルを含むテスト、応答量の上限を設計項目として分けると、試作から本番へ移す条件が明確になります。

結局、今回のブログ記事をどう読むべきか

MCPを共通接続口にすると連携開発は減りますが、接続先が増えるほど権限、負荷、監視、費用の責任は重くなります。Smartsheetの構成は、MCPサーバーを単なる変換層ではなく、企業向けAI操作の統制点として設計する具体例です。