Anthropic / Claude / Claude Code / リリースノート / 2026/06/15 / 重要
ツール権限、ネストしたスキル、auto mode の確認点
公式リリースノート
Anthropic は 2026年6月15日、Claude Code changelog で 2.1.178 を公開しました。ツール入力パラメータに基づく権限ルール、ネストした .claude/skills の読み込み、近い .claude ディレクトリを優先する挙動、auto mode のサブエージェント確認など、プロジェクト単位の制御に関わる変更が含まれます。
要点
Tool(param:value)形式で、ツールの入力パラメータに基づいた権限ルールを指定できるようになりました。- 例として
Agent(model:opus)のように、Opus サブエージェントだけをブロックする使い方が示されています。 - ネストした
.claude/skillsディレクトリのスキルが読み込まれ、名前衝突時は<dir>:<name>として両方を扱えます。 - エージェント、ワークフロー、出力スタイルは、作業ディレクトリに最も近い
.claude定義が優先されるようになりました。 - auto mode では、サブエージェント起動前に分類器で評価するようになり、ブロック対象のアクションがレビューなしに要求される穴を閉じています。
今回の更新で何が変わるのか
今回の Claude Code 2.1.178 で最も重要なのは、権限制御が「ツール名だけ」から「ツールの入力内容」へ一段細かくなった点です。Tool(param:value) という形式により、同じツールでも入力パラメータに応じて許可・ブロックを切り分けられます。公式例では、Agent(model:opus) を使って Opus サブエージェントをブロックする使い方が示されています。これは、サブエージェントの利用自体は認めたいが、高コストなモデル、特定の実行形態、レビューが必要な入力だけを制御したいチームにとって意味があります。
これまでの権限ルールが大まかすぎると、実務では二つの問題が起きます。厳しくしすぎると開発者の通常作業まで止まり、緩くしすぎると本来レビューすべきアクションが流れてしまいます。入力パラメータを条件にできれば、たとえばサブエージェント起動、モデル選択、外部連携、特定コマンドの実行といった境界を、より現場の運用に近い形で設計できます。ワイルドカードも使えるため、完全一致だけではなく、一定の範囲をまとめて扱う設計も考えられます。
ネストした .claude/skills ディレクトリの読み込みも、モノレポや複数チームが同じリポジトリを共有する環境では重要です。ルートに全社共通のスキルを置き、サブディレクトリにサービス固有・チーム固有のスキルを置くような構成で、作業場所に近い定義を使いやすくなります。名前が衝突した場合に <dir>:<name> として両方残るため、単純に上書きされて意図しないスキルが使われるリスクも下がります。
さらに、ネストした .claude ディレクトリでは、エージェント、ワークフロー、出力スタイルについて、作業ディレクトリに最も近い定義が優先されます。プロジェクトスコープのワークフロー保存も、最も近い既存の .claude/workflows/ に向くため、チーム単位の作業ルールを自然に分離しやすくなります。これは単なる設定探索の改善ではなく、共通リポジトリ内で複数の運用ルールを共存させるための基盤です。
auto mode の改善では、サブエージェントの起動が実際に始まる前に分類器で評価されるようになりました。公式リリースノートは、サブエージェントがレビューなしにブロック対象アクションを要求できる隙間を閉じる変更だと説明しています。これは、サブエージェントを多用するほど重要です。人間が直接入力した操作だけでなく、AIが内部的に呼び出す作業単位にも同じポリシーを通す必要があるためです。
そのほか、/doctor の表示改善、スキル一覧の切り詰め警告、ワークフローキーワードの強調条件、Remote Control のエラー表示、/bug の説明必須化なども含まれます。派手な新機能というより、Claude Code をプロジェクトの規模に合わせて安全に使うための制御、可視性、エラーハンドリングを強める更新として読むべきです。
対象になりそうなユーザー・チーム
- Claude Code をモノレポ、複数サービス、複数チームで使っている開発組織
- サブエージェント、スキル、ワークフローの利用ルールを整えたいプラットフォーム担当
- モデル利用、コスト、権限、レビュー要否を細かく制御したい管理者
- auto mode や Remote Control を含め、Claude Code を半自動の開発作業に使うチーム
実務でまず確認したいこと
まず、既存の権限ルールがツール単位で粗すぎないかを見直してください。特定モデルのサブエージェント、特定入力を伴うツール、レビューが必要な処理があるなら、Tool(param:value) 形式で表現できるか検討する価値があります。
次に、.claude ディレクトリを複数階層で使っているリポジトリでは、どのスキル、ワークフロー、出力スタイルがどの場所で優先されるかを確認してください。名前衝突がある場合は、チームが意図したスキルを選べるよう命名ルールも整えるべきです。
auto mode を使っている場合は、サブエージェント起動前の評価がどのように効くか、ブロック対象の操作が期待通り止まるかを小さな検証で確認すると安全です。
今すぐ対応が必要か
Claude Code を個人で使うだけなら、すぐに設定を変えなくても問題は小さいかもしれません。一方で、組織でサブエージェント、スキル、ワークフローを使っている場合は、今回の変更を前提に権限ルールを見直す価値があります。特に、モデル選択やサブエージェント起動をコスト・レビュー・セキュリティの観点で分けたいチームには、早めに確認したい更新です。
結局、この更新をどう見るべきか
Claude Code 2.1.178 は、機能追加というより「AI開発エージェントをプロジェクト構造に合わせて制御する」ための更新です。ツール入力に基づく権限、ネストしたスキル、近い設定の優先、auto mode の事前評価は、どれも開発現場での事故や混乱を減らす方向に働きます。Claude Code を本格的にチーム運用するほど、今回のリリースは設定棚卸しのきっかけになります。